絵画墨跡その他

吉山 明兆 神前 松徳 狩野 山雪 狩野 探幽 雲谷 等的 等識
宗精 木庵 性瑫 狩野 安信 柏巌 性節 白隠 慧鶴 伊藤 若冲
狩野 探信 文保愚海 熊谷 守一 上甲 平谷 落合 朗風 松村 外次郎
広瀬 楚庵 堀 義雄 下村 良之介 酒井 良 作者不詳

落合 朗風(おちあい ろうふう)[1896 - 1937]
東京生まれ、1914年画家として立つことを決意。
1年に満たなかったが京都の小村大雲に師事、のち川端画学校に通学、15年明治絵画会に「后興」を出品以来、文展ー再興院展ー帝展に出品を続け、28年青竜社の主張に共鳴し「華厳仏」を出品(青竜賞受賞)、青竜社同人に推挙されている。しかし同展からも34年離脱し、明朗美術聯盟を設立、これを主宰した。装飾的画面に新感覚をもり込んだ作風と抒情性に富んだローカル・カラーの描出に異色があった。

作品一覧

※写真をクリックすると全体図が御覧頂けます

落合朗風筆:浅春 落合朗風筆:浅春
紙本着色掛幅/130×30.3cm/1918

大正8年第6回再興院展に出品され話題作となった「エバ」(山種美術館蔵)と、ほぼ同時期の作。白壁の前に佇立つ女人像は、多分羅浮仙と思われるが、桃花のほころびを背に前方を凝視する姿態に独特の詩情がある。顔面の描写には印度細密画の影響がみられて楽しい。

落合朗風筆:貧しきものは幸いなり 落合朗風筆:貧しきものは幸いなり
紙本着色掛幅/43×29.2cm/1924

新約聖書に材をとったもの。敬虔なクリスチャンであった朗風の一面がうかがえる。
林檎を捧げもつ童女の姿に、ほのかな抒情が漂う。右下端にさりげなく描かれた紙人形と、童女の表情が呼応して祈りの世界が見事に表出されている。
(大正13年第1回松坂屋個展に出品)

落合朗風筆:梨売 落合朗風筆:梨売
紙本淡彩掛幅/132×33cm/1937

露店の灯が疎らかになって、それがもう尽きようとする辺り、ガス燈の火影にほのかにうかぶ屋台と、わびしげに人を待つ梨売の女、墨一色の静かな筆使いで描出された夏の夜の風物詩である。
昭和12年3月この「梨売」を含む半切23点を描いて、翌月15日に42歳で急逝する。生涯烈々たる闘志に満ちた作画を展開したが、この作品には不思議な安息がある。

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