絵画墨跡その他

吉山 明兆 神前 松徳 狩野 山雪 狩野 探幽 雲谷 等的 等識
宗精 木庵 性瑫 狩野 安信 柏巌 性節 白隠 慧鶴 伊藤 若冲
狩野 探信 文保愚海 熊谷 守一 上甲 平谷 落合 朗風 松村 外次郎
広瀬 楚庵 堀 義雄 下村 良之介 酒井 良 作者不詳

酒井 良(さかい りょう)[1950 - ]
長野県生まれ。1973年東京造形大学美術学科彫刻専攻卒業。
73年新制作展に出品入選し以後毎年入選。75年新作家賞を受け、同会協友に推挙され、82年再度新作家賞を受賞した。その間、78年銀座地球堂において「石と糸」と題して個展を開催。84年新製作協会会員となる。85年第1回現代日本具象彫刻展に「時の流れ・人の歩み」を出品し大賞を受賞した。石彫による抽象彫刻にある種の情感を漂わす作風に魅力がある。

作品一覧

※写真をクリックすると全体図が御覧頂けます

酒井良作:根 酒井良作:根
石彫/各111.2×102.0×43.5cm/1973

二つのひらたい石をならべ、それぞれ違った方向に動きを与え、なおかつ一つにまとまった形。そして二つの石の中心からは内からこみ上げる強さを表現しよう。これがこの作品の狙いです。
作品の題名は、『天地』、『地』、『根』、等、頭にありましたが、自分の生きる道としてすべて元になるもの、根本のものをだいじに見つめて行きたい。又この作品がある意味では自分の出発点になる事等考え、木の根っこのようにしっかりと地面に足をすえた強さと、常に自分を見失わない事を願い、根本と根と二つの意味をかねた『根』を題名に致しました。
(第37回新制作展出品)

酒井良作:大武地 酒井良作:大武地
石彫/27.5×35×26cm/1978

以前作った作品を長いこと見るともなく見ていると、全く思いがけず、その形が引き金になって新しい形がその作品の中に見えてくることがよくある。別の石に刻めばいいのだが、それでは感動が薄れてしまう。こういう時はおもいきってその作品にデッサンの墨をいれることにしている。感動しながら彫り進めて行くのでほとんど途中で迷うことがない。しかも前の作品がここだ、ここだと彫る場所を教えてくれる。結果的に1つ作品を失うことになっても新しい作品が出来た喜びは、はるかに大きい。この作品には2点分の感動と愛情がこめられている。僕の好きな作品がまた1つふえた。
(歩会展出品)

酒井良作:ひげ 酒井良作:ひげ
石彫/25×29×26.5cm/1980

モディリアニの石彫(卵型のごろんとした頭部像、1914年作)と出会ったのが「ひげ」を作る直接のきっかけとなりました。かねてからこの作品だけは是が非でも実物を見たいと願っていましたので、それが実現し、対面できた時は正に天にも上る心地。びっくりするほどきびしい表情でせまってきたのも驚きでした。「ひげ」はその後数日で完成。楽しい作業でした。

酒井良作:まくら 酒井良作:まくら
石彫/35.5×26.4×12.3cm/1980

「ひげ」を作ることにより、モディリアニから受けた感動がよりスムーズに表現できました。2点とも偶然上から見おろす形になりましたが、親しみやすい作品になったように思います。現代は、西洋も東洋もごちゃまぜの時代。しかし、いつの時代も感じる心はおそらく一つ。西洋人の作品から影響を受けて作った石の首、水墨画、芦雪に囲まれてはたして笑うか、作者今からわくわく。

酒井良作:子 酒井良作:子
石彫/28.5×16.0×11.2cm/1981

このごろ作品を制作するのに、二つの事が頭に浮かぶ。一つは10年来続けている抽象作品。展覧会に出品している作品がそうだ。もう一つは日記のつもりで制作している小品である。どういうわけか顔になる。そしてどれもがほほえましい。

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